賃貸住宅で入居者に人気の設備ランキング【2021年】

「全国賃貸住宅新聞」にて毎年アンケートをとっている人気の設備ランキングをまとめてみます。

今年はコロナ禍ということもあり、自宅設備への意識が普段より強めに反映されていると思われます。

 

情報引用元:全国賃貸住宅新聞の記事

 

目次

この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まるランキング

このアンケートは全国の不動産会社に対してのアンケートなので、仲介業の現場の声になっています。

また全国ランキングのため、地域特性が強いエリアはその地域ごとの声を聞くほうが大切です。

 

【個人的な注目ポイント】

・インターネット無料設備が6年連続で単身・ファミリーともに1位獲得

これまでも人気でしたが、コロナ禍においてテレワーク需要が増えたことにより、より注目が高まったと考えられますね。

また、ウーバーイーツや出前館をはじめとした、飲食の宅配やネット通販での買い物もインターネット需要の後押しをしていると思われます。

 

・宅配ボックスも根強い需要あり

こちらもコロナ禍に関係してきますが、通販需要が伸びています。

また社会的に共働き過程が増える傾向ですので、専業主婦(主夫)がいないため、日中の荷物受け取りができなくなってきています。

通信販売の売上高推移が気になる方はこちら:公益社団法人 日本通信販売協会の2020年のデータ

 

新築物件にはほぼインターネット無料設備と宅配ボックスが設置されていることから、高くても決まる設備から、標準設備への移行期間に近い状態になってきていると考えられます。

つまり、今は「あると高く決まりやすい設備」ですが、近未来では「ないと決まらない設備」に近づいていくと思います。

 

・高速インターネットがランクイン

このアンケートで今年から項目に追加された「高速インターネット」がランクインしました。

テレワーク需要でのファイル送受信頻度の増加や、家で動画配信サービスを見る方、Web会議やオンライン飲み会など、常に動画や大きなデータを送り合う頻度が増えていることが伺えます。

 

コロナ禍が続くかどうかは2022年の同行次第ですが、インターネット無料や高速インターネット需要はコロナ禍前から6年連続で需要ありということを考えると、既設物件で中々部屋が決まりにくくなってきている方は導入を検討すべきタイミングと言えます。

 

 

この設備がなければ決まらないランキング

ではこちらの「この設備がなければ決まらない」ランキングも見ていきましょう。

 

【個人的な注目ポイント】

・モニター付きインターホンが単身・ファミリーともに上位にランクイン

思いつく理由としては、セキュリティ面の心配をされる方が多くなっていることや、通信販売や在宅時間の増加から、訪問者に対して非対面でコミュニケーションがとれること(コロナ禍)のニーズが増えたことなどが考えられます。

コロナ禍で不必要に不安を煽った情報をみてしまったり、対面コミュニケーションが減ったことによって心配ごとが打ち明けられず、心配事が自分の中でどんどん大きくなってしまう心の動きが現れているかもしれません。

こちらは必須設備のランキングなので、モニター付きインターホンがない物件は検討から外れるという方がいるニュアンスです。

 

・インターネット無料設備がこちらでもランクイン

「あれば高く決まるランキング」のときにも書きましたが、少しずつ必須設備への変化が感じられます。

特に都市部の単身マンションは新築・築浅物件には標準装備であることが増えているため、必須に近くなってきています。

また、単身物件では高速インターネットもランクイン。つまり、単身向けでは高品質のインターネット無料設備が求められています。

実際お部屋を契約する立場になると、別でインターネットを申し込むと4千円くらい毎月かかるので、それが無料となると嬉しいですよね。お金で計算しやすいのもポイントだと思います。

 

そもそも無料インターネット設備って何?という方は、以前詳しく説明した記事を書いたので、こちらもご覧ください。

 

付加価値の高い住宅設備は近未来の傾向を読むことが大切

高付加価値の賃貸住宅設備とはなにか?を考えるときのヒントの一つは、分譲マンションの新築設備を見ると少し見えてきます。

個人的な見解ですが、今あまり賃貸住宅で意識がなくて、10年以内に増えてくるのは敷地内のEV充電設備です。

すでに分譲マンションでは、一部区画にEV充電設備ありが増えてきています。

先日トヨタもEVの30車種投入発表がありましたが、今後、全てがEVというわけではなくても、今より割合が増加する傾向は間違いないでしょう。

 

また、キッチンのシャワーやユニットバスにウルトラファインバブル設備も増えていくと思われます。

ウルトラファインバブル水とはナノレベルまで小さくした気泡が水の中に滞留することによって、汚れがよく落ちたりするものですが、こちらも分譲マンションの設備として少しずつ増えています。

 

 

この記事のまとめ

ある程度の家賃が見込める立地や建物であることが前提にはなってきますが、

「賃料が高くとれる差別化設備」と「ないと決まりにくい必須設備」を意識して賃貸住宅のバリューアップ(価値向上)を狙っていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

中谷
中谷
普段は賃貸不動産の管理業務を主軸に、ビルメンテナンス業務の改善提案、電気代やガス代の見直し提案しています。
マイベストプロ大阪でも紹介いただいています
【保有資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
2級FP技能士・基本情報処理技術者