【オーナー向け】インターネット無料設備導入や切り替えでの収益改善 事例紹介

目次

事例の前に……そもそもインターネット無料設備って何?

今回はインターネット無料設備を物件に導入してみた事例をご紹介します。

そのため、「インターネット無料設備って何? イマイチよくわかってないんだけど・・・」という方は、解説や仕組みを書いた別のコラムをぜひ。

細かく仕組みや違いを書いた別記事はこちら

 

ざっくりとまとめると、物件オーナーが全部屋分のインターネットを一括で契約して、

各部屋の入居者は、入居したときから、そのインターネット回線を借りられるため、便利!

さらにインターネットを自分で契約する必要がないので、月額3千円~5千円程度の固定費削減!

また、自分で契約しないため退去の際も解約手続きとかもないので、楽ちん! だから選ばれる! 

 

……という感じです。

 

では、本題の導入事例に入っていきます。

 

ビジネス

 

インターネット無料設備 新規導入事例1 35世帯・築30年

岡山県にある35世帯、築30年のワンルームマンションの導入事例です。

 

【事前の相談】

空室を埋めたい思いから賃料の値下げを行い、周辺の家賃相場よりもすでに安い状態になっていました。

それでも5室の空室が有り、なんとかしたいというところからのご相談です。

これ以上は家賃の引き下げでは対応できないため、お部屋の設備をグレードアップする方向の対策を取り入れることになりました。

 

【行ったこと】

まずどういう入居者層に響く部屋にするかを考え、単身女性に選ばれる部屋として設備を充実させることを決断。

最初に賃料3~5千円相当の値下げに匹敵する、インターネット無料設備をLAN配線型で全戸導入。

合わせてと防犯カメラと宅配ボックスを設置してセキュリティ面と利便性を向上。

また、女性向けの防犯設備の一環として、屋内物干しを標準設備として導入。

 

単身女性が求めるものに絞って導入を続けた結果、

5部屋全て埋まり、家賃を維持したまま女性入居者で空室を埋めることに成功しました。

 

ビジネス2

 

 

 

インターネット無料設備 新規導入事例2 12世帯・築15年

大阪府にある12世帯、築15年マンションの導入事例です。

こちらも12世帯中5室が空室でした。

 

【事前の相談】

この物件は過去にインターネット無料設備を導入しようとしたけれど、一度断念していた物件でした。

理由はLAN配線方式の業者に相談していたところ、

各部屋にLAN配線を新たに配線する必要があることがわかったのですが、

既設配管に余裕がなく、露出で配線するしか方法がないということになり、断念されていました。

 

【導入したこと】

断念した内容から、逆に利用するかたちで、テレビ用途で配線されていた同軸ケーブルを使用し、

同軸配線方式のインターネット無料設備を導入しました。

すでにある配線を使うため、新たに配線する必要がなく、初期工事費も抑えられます。

 

合わせてオーナーの要望で人気の高い設備である宅配ボックスを設置。

「インターネット無料」「宅配ボックス完備」「小学校から近い」という3点を武器に賃貸募集を行い、

5部屋とも無事に入居者が決まりました。

 

全てファミリー層で、ご意見を伺うと奥様の「以前もネット無料や宅配ボックスを使用していたので探していた」という話がありました。

小学校の在学中は退去率が低いこともあり、ある程度先を考えた投資に成功した事例になりました。

 

インターネット無料設備 導入成功事例から考えること

ご紹介した成功事例からどういったことが考えられるでしょうか。

 

1:インターネット無料設備の効果はある(ランキング紹介)

2022/10/17 全国賃貸住宅新聞記事より引用

こちらは全国賃貸住宅新聞様にて、毎年ランキングが発表されている人気設備のランキングです。

インターネット無料設備は近年ランキング上位をずっとキープしており、新築の物件には最初から導入されていることが多くなっております。

 

2:お部屋を差別化する際はターゲットを考えて優先順位を決める

事例1つめは女性をターゲットとして設定しているため、男女ともに人気のインターネット無料設備の次に、セキュリティ面・防犯面を重視して差別化を行った成功事例です。

また、「室内物干しがあるから、その部屋を選ぶ」という男性はあまりいない印象ですが、だからこそ女性向け物件として痒いところに手が届くお部屋となっています。

 

事例2つめはファミリー層を狙って設備を充実させた事例です。

最近は共働き家庭も増えているため、宅配ボックスがあると日中誰もいないけれど通販を気軽に利用できて便利というお声があります。

また、LAN配線に使用できる配管やスペースがあるかないかで、導入難易度が変わることがあります。

LAN配線型だけでなく、同軸配線型も提案できることがポイントになった事例でした。

 

 

 

ビジネス3

 

これまでは新規導入の事例をご紹介しましたが、すでに入っている設備からの切り替え(リプレイス)も非常に効果的なことがあります。

事例3はリプレイスの成功事例です。

 

事例3 設備業者切り替え事例 36世帯・築32年(金額記載あり)

京都府にある36世帯のマンションへのインターネット無料設備切り替え事例です。

いわゆるリプレイス事例となります。

 

【事前の相談】

物件には10年前からインターネット無料設備が導入されており、現在のオーナーは3年前に購入された方でした。

オーナーに現在導入されているインターネット設備に関してヒアリングしたところ、

よく相場がわからないものなのでそのままにしているということがわかり、切り替えご提案をすることになりました。

 

詳細を聞いてみると、10年前の機械から更新されておらず、速度は今の相場の1/10程度、金額は2倍程度という内容でした。

 

【比較データ】

・旧設備会社

LAN配線設備/月額43,000円(税抜)期間制限なし

 

・新設備会社

LAN配線設備/月額21,000円(税抜)10年契約プラン ※10年後は月額7,000円(税抜)

主装置新調、保守サポートも見直しをして付帯

 

数字をみていただければ一目瞭然ですが、固定費削減しつつサービス向上をするという、とても喜んでいただけた事例でした。

LAN配線はすでに各部屋まで配線済みなので、共用部の端末と、部屋内機械の入れ替え作業のみで完了できたため費用が抑えられています。

 

 

今インターネット設備業者の切り替え(リプレイス)が熱い

事例3で見ていただいた通り、6~10年くらい前までの契約時はまだインターネット無料設備業者の数も少なく、

費用が高いわりに、インターネット速度が遅いということがよくあります。

 

同軸ケーブルでケーブルテレビ会社が敷設しているものや、

黎明期のLAN配線型で設置して、そのまま見直していないオーナーさんは要チェックをおすすめします。

もし違約金がある場合でも、部屋数や契約内容によっては新業者で負担してくれるところもございますので、お気軽にご相談ください。

 

 

まとめ

入居者向けインターネット無料設備を導入した成功事例や切り替え事例をご紹介いたしました。

インターネット無料物件が入居者に選ばれていることが主な内容ですが、

単純にインターネット無料設備を導入して終わりということではなく、

入居ターゲット層へ訴求する設備のひとつ、という意識を忘れないようにしましょう。

 

逆に失敗事例というか、思ったよりも効果を感じられなかった事例としては、極端に立地が悪い物件となります。

こちらは単純にそのエリアで住みたい方の数がそもそも少ないという前提があるため、インターネット無料設備を導入したからといって、すぐに効果に現れにくい傾向があります。

近隣物件で導入物件が少なければ、差別化にはなりますので、立地が悪い物件に関しては費用対効果などを考えてからの導入をオススメいたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

中谷
中谷
普段は賃貸不動産の管理業務を主軸に、ビルメンテナンス業務の改善提案、電気代やガス代の見直し提案しています。
マイベストプロ大阪でも紹介いただいています
【保有資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
2級FP技能士・基本情報処理技術者