居住用賃貸、1階物件のメリット・デメリットについて
目次
居住用賃貸、1階物件のメリットについて
まずはメリットをみていきましょう。
先日アットホームの市場調査にて、「不動産のプロが選ぶ!『1階物件のメリット』ランキング」のプレリリースがありました。
引用及び参考:不動産のプロが選ぶ!「1階物件のメリット」ランキング
さっそくランキングの紹介です。
1:階下への騒音・振動を気にする必要がない(70.8%)
2:移動や荷物の搬入が楽(56.5%)
3:上の階に比べて家賃が安い場合がある(48%)
4:物件によっては専用庭がついていることがある(30%)
5:上り下りがないため出かけるのがおっくうにならない(24.4%)
6:階数にこだわらなければ、選べる物件が増える(19.1%)
調査対象は2021年9月2~7日、居住用賃貸物件で1階の物件を紹介したことがあると回答した不動産会社に対し、アンケートで行われたものです。複数回答可能なアンケートです。
一部取り上げて詳しくみていきましょう
階下への騒音・振動を気にする必要がない
お子様、特に飛び跳ねる小さなお子様がいらっしゃるご家庭は、階下からのクレーム経験がある方も多いです。
あえて1階を選ぶという意見もうなずけます。
ちなみに筆者も子育て家庭ですが、賃貸居住で、一度騒音クレームをいただいてしまいました。申し訳ない・・・。
極力気をつけていても、響くときは響いてしまうため、1階を探す家庭がいらっしゃることもすごくよくわかります。
移動や荷物の搬入が楽
引っ越しのとき、階段やエレベーターサイズのことを考えずにすむことや、
足腰の弱い方やご高齢の方が階段を使わずに移動できることで選ばれることも多いですね。
また、ベビーカーなどお子様用のものをエレベーターなしの物件で出し入れするのは大変です。小さなお子様を抱きながらになることもありますし。
こういった方には1階物件がメリットになりますね。
上の階に比べて家賃が安い場合がある
こちらは値付けとして一般的な話です。1階は避けられやすいことも多いため(デメリットは後述)、賃料が安く設定されていることが一般的です。
他に譲れない条件があり、相場より少しでも安い賃料を求める場合は、1階物件を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
オートロックや共用部監視カメラ、分譲賃貸物件など、設備充実が良いけれど、高層階は賃料が高くて手が出せない場合などが該当しますね。
物件によっては専用庭がついていることがある
こちらもお子様がいらっしゃるご家庭が庭でプール遊びをしたい場合や、バーベキューをしたいなど、強い希望がある場合は1階の物件を探すことになりますね。
基本的に専用庭は1階の限られた物件しかないため、1階物件特有のメリットと言えるでしょう。
その他のご意見(メリット)
・地震や災害があったときにすぐ避難できる、エレベーターが停止しても影響がない
・折りたたみ自転車、ロードバイクを所有しているお客さまは室内まで運ぶのが面倒なので1階が良い
・・・なども意見があったようです。
居住用賃貸、1階物件のデメリットについて
では、一般的にデメリットとしては何があげられているでしょうか。
こちらはアンケート結果ではなく、一般的に言われているデメリットをまとめていきます。
1:日当たりが悪い、湿気が多い
2:床下からの冷気で寒い
3:セキュリティ(防犯性)に気を配る必要がある
4:人の目が気になる
5:虫の侵入が多い
6:地域によっては浸水の可能性がある
日当たりが悪い、湿気が多い
日当たりに関して、1階は悪いとよく言われますが、1階だからというより、隣地に何が建っているかという点が重要です。
光が入るはずの場所に障害物(建物など)があると、日当たりは悪くなります。
極論、隣の建物が高い建物であれば、2階でも3階でも日当たりが悪いということはあります。
日当たりは物件内覧時に確認しやすい部分ですので、気にされるかたはきちんと確認しましょう。
湿気に関しては、1階が影響を受けやすいです。
地面と近いため、雨など湿度が高くなったときに、最も影響を受けます。
対策としてはこまめな換気と、家具などを設置する際に、壁や天井と家具の隙間を少し開けることです。
要は風の通り道を確保することがとても大切です。
床下からの冷気で寒い
1階の部屋は地面の冷たさが直接伝わってきてしまいます。(逆に最上階は室内が暑くなりがちです)
そのため、1階物件は足元の寒さ対策を考える必要があります。
ホットカーペットやコルクマットなどを敷いたりして足元からの冷えを防ぎましょう。
コルクマットは1枚から購入でき、つなげれば任意の範囲で床面をカバーできるため、おすすめです。
もこもこした素材の絨毯などは冬が終わると、ちょっとな・・・、と思うこともありますが、コルクマットは通年使っても違和感なく、湿気のコントロールにも役立つので便利ですよ。
セキュリティ(防犯性)に気を配る必要がある
実際に多いのが下着泥棒や空き巣による侵入窃盗などの犯罪です。
オートロックの有無、防犯カメラ(共用部)の有無、建物の裏手がフェンスで囲まれているなどがあると比較的安心できますね。
ちなみに統計データによると、半数以上は無施錠とガラス破りから侵入されています。
玄関はもちろん、窓の施錠や防犯対策も意識をしましょう。
また、地域ごとにどんな事件が起きたかを調べることもできます。
地域の治安を調べてから物件を決めることも大切です。
特に日中帯と夜間帯で雰囲気が変わることも多く、繁華街なのか閑静な住宅街なのか、オフィス街なのかなど、物件を探すときは少し時間帯別の周辺状況もみることをオススメします。
人の目が気になる
上で書いた3項目に関わってくるのですが、ベランダからすぐ人通りのある道が見える状態だと、逆に部屋の中がすぐに見えてしまうということになります。
せっかく建物の日当たりが良くても、窓を開けづらく、開放感のある暮らしがしにくくなります。
また、窓を閉じたままだと換気しにくく湿気もこもりやすくなります。悪いことしかないですね。
できるだけ、遮蔽物がある1階物件を選ぶと人の目の問題は薄れると思います。
また、たまに自動販売機が物件に置かれている場所もありますが、こちらはエリアに寄っては夜間でも人が集まったり、ごとん!という購入時の音が気になる可能性があります。
音に敏感な方はそのあたりも考慮して物件確認をしましょう。
虫の侵入が多い
1物件は虫が多いという話がありますが、実際に多い傾向です。
理由としては地面からの侵入と飛んでくる虫の侵入です。
木の高さくらいまで(3階以下)は飛行できる虫の侵入が比較的多いため、気になる方は4階以上をオススメいたします。
1階はよく言われる虫の侵入として、アリ、コバエ、ゴキブリ、蚊、あたりが考えられます。
対策としては室内を清潔に保つ、匂いの出る生ゴミなどは放置せず、蓋付きのゴミ箱に入れてこまめに出すことが最もシンプルで重要です。
他にも、外が暗いときに室内が明るいと、紫外線に引き寄せられ虫が集まります。夜は窓とカーテンを閉めましょう。ただし、一般的なLED証明は紫外線がほとんどないため、集まりにくいです。
また、室外に干した洗濯物を取り込む際は虫がくっついていないか確認してから取り込みましょう。
その他、市販品による対策としては室内に噴霧して虫除け効果を発揮するものや、定期的なバルサンなどをすると、発生を極力防ぐことができます。
ただし、虫が気になる方は築年数が古い物件と飲食店が近い物件は避けましょう。どうしても虫の発生率が高くなります。
地域によっては浸水の可能性がある
こちら海抜によっては異なります。
地域のハザードマップを確認し、浸水する可能性がある物件かどうかなどを事前に調べましょう。
川が近い、海が近い、海抜が低いなど、もしも大雨や災害がおきたらこの物件はどういう状況になるかを考えて、選びましょう。
また火災保険などの保険契約の際も浸水や水害について、何が保証されて保証されないかをきちんと把握して契約しましょう。
不動産会社や管理会社の指定契約プランで結ぶしかないというイメージがありますが、中身を把握せずに契約することは危険です。
まとめ
居住用賃貸物件の1階のメリット・デメリットをまとめてみた記事でした。
【メリット】
1:階下への騒音・振動を気にする必要がない(70.8%)
2:移動や荷物の搬入が楽(56.5%)
3:上の階に比べて家賃が安い場合がある(48%)
4:物件によっては専用庭がついていることがある(30%)
5:上り下りがないため出かけるのがおっくうにならない(24.4%)
6:階数にこだわらなければ、選べる物件が増える(19.1%)
(アンケート結果から引用)
【デメリット】
1:日当たりが悪い、湿気が多い
2:床下からの冷気で寒い
3:セキュリティ(防犯性)に気を配る必要がある
4:人の目が気になる
5:虫の侵入が多い
6:地域によっては浸水の可能性がある
(※不動産会社として現場の意見から取り上げたもの)
小さなお子様がいらっしゃって、近所や階下への迷惑が気になる、ベビーカーなどの出し入れが楽になると助かるという方は1階物件も慎重に選べば適したものになると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
- 普段は賃貸不動産の管理業務を主軸に、ビルメンテナンス業務の改善提案、電気代やガス代の見直し提案しています。
マイベストプロ大阪でも紹介いただいています
【保有資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
2級FP技能士・基本情報処理技術者
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