マンションの雑排水管清掃の必要性と定期的に行う3つの理由

雑排水管清掃という言葉を聞いたけれど、そもそもそれはどんな作業なのか、定期的に行う必要があるのかについて書いています。

3つの理由からお読みになりたい方は目次で飛ばしてくださいね。

また、この記事は主に集合住宅向けに書いています。戸建ての場合は状況が異なりますので、ご注意ください。

 

目次

そもそも雑排水管清掃とは

マンションや団地など集合住宅では、キッチン・洗面・お風呂・トイレなど多くの場所から水が流れます。

共用部(廊下など)やベランダには雨水を流すための通り道もあります。

排水の通り道となっている配管を排水管と呼びます。

 

排水は雨水・汚水・雑排水に分別され、トイレ(汚水)を除く生活排水を流す配管を、高圧洗浄の機械などで清掃する作業を、

雑排水管清掃と呼びます。

イメージ図はこんな感じです。

排水管清掃イメージ

参考動画:浴室排水口 排水管洗浄作業の様子

弊社の実際の作業の様子を動画で撮影しました。

無音に編集しておりますので、音は出ません。

 

 

排水は各部屋の中(専有部分)にある排水管から、共用部分にある大きな排水管へとつながり、合流して流れていきます。

各部屋の雑排水からはいろんなものが流れます。

料理する際に出る油や小さなゴミ、洗剤、髪の毛やシャンプーなど多様です。

これらの汚れが年数とともに蓄積され、配管のつまりや結果として漏水事故に繋がる前に、定期的に清掃しましょうという趣旨の作業になります。

 

余談:なぜ下の階から順番に行うのか

たまに質問をいただく「なぜ下の階から順番で行うのか」について書きます。

排水管は上のイメージの通り、各部屋の排水管から、共用の大きな配管に合流し、下に流れていきます。

 

この共用の大きな排水管の途中につまりがある場合、上の階から高圧で大量の水を流すと、つまりのある部分からつながっている階下の部屋等で逆流や漏水が発生します。

下の階から順番に清掃を行うことで、このリスクを最低限に押さえ、清掃を最大限の効果にすることができます。

 

ただし、実際には上の階から作業を行うことも多々あります。

 

余談2:上の階から作業することは間違いなのか

では、上の階から行う作業が間違っているのかというと、一概に間違いな訳ではありません。

業者の作業効率(仕事は時間との戦いですね)を考えると、上の階から行うほうが早いです。

 

築年数が新しいマンションや、定期的に排水管清掃を行っているマンション、高層マンションの清掃作業は、上階からの作業工程も多いです。

要するに「排水問題が比較的発生しない集合住宅」は上の階から行ってもリスクが少ないため、効率を考え上の階から作業します。

各お部屋に入らせてもらう都合上、入居者には在宅をお願いして時間をいただいていることもあり、作業効率も排水管清掃の大切な要因です。

 

また、「午前1番でやってほしい」「◯時に帰るから◯時から作業しても大丈夫」など、お部屋ごとの作業時間の要望がたくさんあれば、上の階も下の階も関係なくなる場合もあります。

だから、一概に「上の階から?下の階から?問題」はどちらが正しいと言う訳でもありません。

工程は現場によって異なります。

 

なので、排水管清掃が下からでも上からの作業でも、それは特に気にしなくても大丈夫です。

プロの業者は、作業するマンションの事を理解した上で、適正な段取りで作業を実施していると思います。

 

雑排水管洗浄を定期的に行う3つの理由

1:排水管がつまるとうまく流れなくなったり、悪臭が発生する

例えば、キッチンの排水管に油分を含んだゴミが固まっていくと、臭いの原因となったり、排水がうまく流れにくくなったりします。

浴室や洗面は、髪の毛のゴミとシャンプーやリンス・整髪剤(ワックスなど)が絡まり、同じく排水管に固まって、つまりの原因になってしまいます。

こういったものは1日でつまるということはありませんが、住んでいる方の使用状況や、毎日の積み重ねで、徐々に大きな固まりになっていきます。

 

洗面 排水管洗浄

キッチン 排水管洗浄

2:つまりが原因で逆流や水漏れ事故がおき、ひどい場合は損害が階下に及んで賠償責任を負う可能性もある

水の流れがスムーズに行われず、配管のつまりが発生すると、逆流することがよくあります。

排水の逆流は漏水事故につながりやすく、たとえばキッチンの排水があふれ、床面に大量にあふれると、床材がくさったりの交換が必要になります。

さらにそれが気づかない間に発生し、長時間放置されているとすると、階下や共用部に漏水し、他のお部屋や廊下の補修が必要になるケースもあります。

天井漏水写真

※床下から階下の天井に漏水すると、シミなどになってから発覚するため、被害が広範囲になりがちです。(過去の現場写真から一部抜粋)

 

排水のつまりや漏水の原因が清掃不足に起因するなど、状況によっては、入居者が修繕費用を負担することになります。

仮に保険で請求する場合にも、日常的な清掃や定期的な雑排水管の清掃を行っていたかどうか、という点で保険金の過失割合に影響する可能性があります。

仮に、階下の漏水先に、高いパソコンが置いてあったとしたら、器物破損の損害賠償という話にもなりかねません。

定期的な清掃は住んでいる方のためでもあり、事故を予防するという大切な作業であることが伝わると思います。

 

3:古い建物の場合、配管が鋳鉄管であれば、配管の寿命が縮まりやすい

排水管と一言でいっても、部材が様々存在します。

中でも、平成以前の建物には鋳鉄管で作られた配管を使った建物が多くあります。

鋳鉄管の代表的な劣化は、管や継手に発生する局部腐食と異物付着(油脂性の汚れなどの固まりが多い)です。

日頃から排水管清掃を行うことで、異物付着による劣化を防げます。そうすることで、配管の痛みが和らぎ、配管交換への年数(配管寿命)を長くすることができます。

 

逆に、清掃不足も含め、管内のゴミづまりや局所錆が進行してしまった鋳鉄管は、安易に排水管清掃を行うと、サビの部分から削られ、配管に穴が空き、漏水事故に繋がります。

鋳鉄管の排水管を清掃する場合、きちんと事前調査等を行い、準備とリスク把握をしてから行いましょう。

 

排水管清掃の頻度について

マンションなどの集合住宅では、使用者の清掃具合によって、劣化度合いが大幅に異なります。

築年数が浅い物件は2~3年に1回、築年数が10年を超えてきた物件は毎年1回行うことを推奨します。

 

予防の面が強いため、どこかの配管がつまってから呼ぶのでは遅いです。

作業も、今日業者に声かけて明日全戸実施というわけにはいきません。

入居者に在宅をお願いする関係もあり、実施1~2ヶ月前から準備が必要です。

 

実際に当社の体験で、1年1回排水管清掃を全戸で行っているマンションでも、

油を大量に使う料理を頻繁に行っていた入居者のお部屋で、キッチンの排水管がつまってしまうトラブルがありました。

個別に業者を呼び対応してもらいましたが、負担は入居者へ請求することになりました。(合わせてキッチンの排水口に直接油を流さないような日頃の処理・清掃もお願いしました)

 

マンションでの排水管清掃は法定点検ではありませんが、汚れが蓄積してからでは深刻な問題が発生することもあるため、定期的な清掃をオススメします。

小型 排水管洗浄

共用部 排水管洗浄

排水管清掃のアフターサービスについて

一般的に、排水管清掃を実施した部屋の1年間以内のつまりについては、保証を行っている業者も多いです。

発注の際は施工後の保証(アフターサービス)も確認しましょう。

 

ただし、上の弊社の事例でもありましたが、保証期間内のつまりでも、

使用者の過失責任が明確な場合(ものを落としたつまり・使用の仕方が通常の範囲を超えている場合など)は費用発生することになります。

 

なぜトイレは雑排水管の清掃対象に入っていないのか

まず、トイレは雑排水ではなく汚水の分類になります。

 

そして便器の構造上、トイレの便器口から排水管清掃のホースは挿入が難しいです。

また、トイレの排泄物は配管に付着しにくい性質のため、トイレのつまり事案のほとんどは間違って落としてしまった異物が原因です。

(トイレットペーパーの流しすぎや、子供のおもちゃ、携帯電話など、トイレには落としてしまったいろいろなものがつまります)

 

マンション等によっては、トイレ内の床に清掃口が取付られている場合もあり、そこから高圧洗浄のホースを挿入させ行う事もあります。

それ以外の場合は便器の脱着が必要になり、排水管清掃業者が仕事として受けない場合や、別料金で高額な対応になります。

それらの理由を総合して、排水管清掃でトイレは対象になっていないことのほうが多いでしょう。

 

トイレの構造は私が下手な絵を用意するより、TOTO様のホームページがわかりやすいです。

TOTOのトイレのしくみページ

 

気になる方は尿石用の薬剤を投入する清掃方法もあります

日頃の清掃があまりされていないトイレの場合、尿石が固まってくることも考えられます。

そういう場合は、排水管清掃のホースを投入するのではなく、専用の薬剤を投入し、一定時間置いたあとに流すことによって、配管清掃を行うこともできます。

行っている業者の場合はオプション料金で1件いくら、という単価になると思いますので、トイレも気になるという方は合わせて聞いてみることをオススメします。

トイレへの薬剤投入は対応している業者としていない業者があると思います。

 

 

錆の塊や尿石などの塊が、高圧洗浄でもとれない場合は?

実際に行われる際は追加料金が発生するオプションになりますが、ファイバースコープによる配管内調査を行い、何が詰まっているのかを確認することができます。

見えてきた排水詰まりの原因によって対策は異なりますが、

例えば尿石などの硬い塊が詰まっているとわかった場合は、下記動画のような機械を用いて、塊を粉砕する対応を行うことがあります。

機械の動きとしては、先端にチェーンがついたクダを旋回させ、塊を粉砕します。

実際にファイバースコープと併用し、粉砕している作業風景の動画はこちら。音は編集しており、無音です。

この作業現場は、リノベーションをかけた部屋で、工事後に排水の流れが急激に悪くなったことから調査依頼があり、
高圧洗浄作業後でも流れがよくならないため、ファイバー調査をすることになりました。

塩ビ管のエルボ部分に1センチ大の尿石の付着がわかり、粉砕機を使って、細かく砕いて対応しました。

ちなみにこちらの機械は口径が100ミリまで、ケーブルとしては15メートルまで対応可能です。

 

お客様の声を掲載しました

排水管清掃をご依頼いただいたマンションオーナー様から、感想をいただきましたので掲載します。

清掃対象物件は大阪でしたが、オーナー様が遠方でお住まいのため、依頼するにも業者を探しにくかったところから、

当社ホームページ経由でご相談いただきました。

遠方ということもあり、事前準備含めた連絡をこまめにとり、段取りの進行にご安心いただきつつ作業を行いました。

ご依頼いただきありがとうございました。

お客様の声 排水管清掃

まとめ:排水管清掃は事故の予防という意識で行う

色々書いてきましたが、一番お伝えしたいことは漏水事故は規模が大きくなり、また解決に手間がかかる事故です。

被害も室内だけにとどまらず、階下や共用部に被害を及ぼす可能性が高いです。

それらを定期的な清掃を行うことによって予防する、というのが排水管清掃の意義です。

定期的な清掃を行い、漏水事故が起きにくい環境を維持しましょう。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

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