ウルトラファインバブル設備をマンション、ビル全体に導入する方法やメリット・デメリットなどの解説
目次
はじめに
建物の老朽化に伴う「給水管・排水管のメンテナンス」や、競合物件との「差別化・空室対策」、そして日々の「排水管洗浄コストの削減」。
不動産オーナー様や管理会社様にとって、これらの課題は常に頭を悩ませる問題です。
そんな中、近年不動産業界で急速に注目を集めているのが、建物の水道管の根本に設置する「ウルトラファインバブル(UFB)発生設備」です。
大阪関西万博での人間洗濯機や、高級シャワーヘッドの普及により、その洗浄力や美容効果は一般入居者にも広く知れ渡るようになりました。
これまでは個人の持ち物で「シャワーだけ、お風呂だけ、キッチンだけ」だったこの技術を、「マンション一棟のインフラ」として導入する動きが出てきています。
つまり「マンション全体」や「オフィスビル一棟」の水を丸ごとウルトラファインバブル化する設備が登場しています。
本記事では、事前知識のない方にも分かりやすく、ウルトラファインバブルの仕組みから、ご紹介します。
少し長いのでコラム全体の結論を最初にざっくりとまとめると、建物の給水配管部分にウルトラファインバブル発生装置を設置して、
すべての蛇口から出る水がウルトラファインバブル水になる!
さらに、製品をきちんと選べば、保守費用やカートリッジ交換のないものもあり、導入費用のみ!
排水管が自然に使う排水で汚れが落ちやすくなるため、排水つまりの予防や排水管洗浄の頻度を抑えることができる!
入居者が使用するキッチンやトイレの排水もすべてウルトラファインバブル水になるため、汚れがつきにくかったり落ちやすくなる!
シャワー設備などを導入しなくてもお風呂でウルトラファインバブル水を使用できる!
……という感じです。
ちなみに、ウルトラファインバブル技術は日本発の技術で、今回解説するマンションの給水以外でも、いろいろな産業界で便利な使い方を研究中です。すごいですよね。
マンション・建物管理の救世主?「ウルトラファインバブル」の仕組み
そもそも「ウルトラファインバブル(ウルトラナノバブルとも呼ばれます)」とは何なのでしょうか。
それは、直径1マイクロメートル(0.001ミリメートル)未満という、肉眼では決して見ることのできない極小の気泡を指します。
水中の気泡が大きければ、浮力で水中から上昇し、空気に交じって消えてしまいますが、目に見えないサイズの空気は浮上する力が弱く、長時間水中に滞留します。
画像引用:株式会社タケシタ製品ページ
通常の水にこの微細な泡を含ませることで、ウルトラファインバブル水となり、そのものが持つ性質が変化します。
1:マイナス電荷による吸着作用
ウルトラファインバブルの気泡はマイナスの電荷を帯びています。
一方で、水垢や皮脂汚れ、配管内の汚れの多くはプラスの電荷を帯びています。磁石のプラスとマイナスがくっつくように、微細な泡が汚れに吸着し、根元から引き剥がす力を持っています。

2:ブラウン運動による長期滞留
通常の炭酸などの泡は、浮力によってすぐに水面に浮上して弾けてしまいます。
しかし、極小のウルトラファインバブルは浮力が極めて小さく、「ブラウン運動」と呼ばれる不規則な動きをしながら、数週間も水中に留まり続けることができます。
つまり、「油脂や尿石に対する洗浄力を持った水が、建物の配管内を常に巡り続ける状態」を作り出すことができるのです。
どうやって設置するのか
シャワーのみ、給湯器のみ、の場合はその設備を対応機種に変えることで実現しますが、マンション・建物全体の場合はどうやって実現するのでしょうか。
結論から書くと、給水管のどこかに設置することによって通過するすべての水の中にウルトラファインバブルを発生させることで、建物内すべての給水をウルトラファインバブル水化することが可能になります。
設置工事例を二つほど紹介します。

設置工事例2です。

設置ポイントは現場次第ですが、以下のような感じです。
- 水道メーター直後
- 受水槽出口
- 加圧ポンプ手前・後ろ など
「蛇口単位ではなく、建物全体の水質を変える設備」という点が最大の特徴です。
設置設備は配管のサイズによって選定されます。
建物が大きく、配管が太ければ、それに対応したサイズの設備になります。
仮に受水槽の手前で設置されたとしても、数週間以上はウルトラファインバブルが水中に滞留するため、問題なくウルトラファインバブル水となります。
オーナー・管理会社の導入メリット
マンション経営で出費の一つのとなるのが、定期的な「雑排水管洗浄」や「排水つまりトラブルの緊急対応」です。
キッチンの油脂汚れや洗面所や浴室の石鹸、洗剤カスが髪の毛などと絡まり、蓄積してできる「バイオフィルム」は、悪臭や詰まりの原因となります。
予防のため、1年~数年に1回程度の間隔で雑排水管の高圧洗浄などを実施されている建物も多いと思われます。
ウルトラファインバブル水は特性上、これらの予防、改善に効果を発揮します。
1:【汚れをつけない】という効果
ウルトラファインバブル水が日常的に流れることで、排水管内部がマイナスの電荷を帯び、汚れが定着するのを防ぎます。
一度こびりついた汚れを剥がすだけでなく、日々の生活排水そのものが配管を掃除し続ける状態になるのです。
また高圧洗浄作業では通常行わないトイレに対しても、排水がウルトラファインバブル水になるため、尿石の除去・発生予防になります。
スポット詰まりの発生を含め、排水管トラブル全般の予防につながります。
2:清掃コストの最適化
一般的に1〜2年おきに行う高圧洗浄のサイクルを伸ばせる可能性があります。
ウルトラファインバブル水の効果は長期間で持続的に経過をみる類のため、まったく行わなくてよい、というより実施スパンを長くできるイメージです。
また、配管の延命にもつながるため、大規模修繕計画における給排水設備更新のコストを将来的に抑制できるのは、長期保有を前提とするオーナーにとって最大のメリットと言えるでしょう。

賃貸入居者の導入メリット
排水管の汚れ防止はそもそも入居者にもメリットのある話ですが、それ以外のメリットとして、以下のような話があります。
1:洗濯や食器洗いの際に汚れが落ちやすくなる
排水管内の汚れが落ちやすくなる現象と似たようなイメージです。
例えば、洗濯機でも、東芝のZABOONというシリーズの一部で、ウルトラファインバブル機能搭載モデルが発売されています。
こういう機種をあえて選ばなくても、蛇口から出る水がすべてウルトラファインバブル水になるため、洗浄力アップが期待できます。
少しずれますが、料理の際にお出汁がより早く、濃く出るような効果もあるそうです。
2:美容・健康意識の高い層への圧倒的なアピール
女性やファミリー層を中心に、ウルトラファインバブルの「美容効果」への関心は絶大です。
「シャワーを浴びるだけで毛穴の奥の皮脂汚れが落ちる」「髪や肌の水分量が上がり保湿効果がある」といったメリットはよく知られていますが、一棟まるごと導入すれば、入居者は高価な専用シャワーヘッドを自腹で購入する必要がありません。
賃貸物件としても設備導入マンションとして差別化をはかることができます。
導入前に知っておくべきデメリット
色々有用性をまとめましたが、デメリットはどんなことがあるのでしょうか。
1:初期投資費用がかかる
建物規模(配管サイズ)に応じて、必要が設備のサイズが変わりますが、導入時に機器および工事費で数十万円~数百万円程度の費用がかかります。
実際には現場ごとの設置可能場所に応じるので、現場の下見をしてお見積りとなります。
2:即効性がないことに加え、目に見えない効果の伝え方が難しい
ウルトラファインバブルは目に見えないサイズの微小な気泡です。
設備導入後に蛇口をひねって水を出しても、見た目の変化がありません。排水管内の汚れ落ちなども薬剤を使った時のようにすぐ変化があるわけではなく、数週間・数か月の変化でじわじわ効いていく類のものになります。
インターネット上にアップは情報保護の観点から難しいですが、実際にトイレの給水に設置して、日数経過とともに尿石の変化具合を追った事案の資料などもございますので、気になる方はお問い合せください。
3:商品選定時はランニングコストや保証期間の長いものを選ぶ
メーカーや商品も多様で、ポイントとしては水道協会の飲料可能なものとしての認定をとっているもので、
保証期間が長く、途中で保守費用がかからないものを選ぶとよりコスト削減につながります。
まとめとよくある質問(FAQ)
Q. 本当に効果はありますか?
配管・清掃・臭気対策などで効果が確認されていますが、即効性ではなく継続効果です。
でも、ウルトラファインバブル水は調べればいろんなジャンルの業界にどんどんこの技術が使われていることがわかります。
当社ではその他の用途は専門外ですが、植物の生長促進や魚類の養殖に使ったり、空港や駅などの大規模施設の洗浄作業に利用されたり、メーカーでの機械部品の洗浄に使われたり、最近では橋梁のメンテナンスとして塩分の除去で定期的な散布をしたりと、本当にすごい技術であることがわかります。
経済産業省も色々資料を出していますので、ご興味ある方は調べてみてください。
Q. 水圧は下がりますか?
適切な機種であればほぼ影響はありません。
シャワーヘッドなどで発生させる仕組みの場合、水圧に影響が出ることもありますが、給水配管に接続する機器の場合はほぼ影響が出ないことが確認されています。
Q. メンテナンスは必要ですか?
メーカーや設備によりますが、当社が提携しているメーカーの設備はメンテナンスや保守部品交換不要のものに限っております。
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この記事を書いた人

- 普段は賃貸不動産の管理業務を主軸に、ビルメンテナンス業務のコスト改善提案、排水管洗浄や貯水槽清掃の費用見直し、ウルトラファインバブル設備の導入補助などの提案をしています。
マイベストプロ大阪でも紹介いただいています
【保有資格】宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・賃貸住宅メンテナンス主任者
2級FP技能士・基本情報処理技術者








