各種費用の見直しをしてみましょう

メンテナンスのランニングコストを削減するためには、「マンションの規模」「設備状況」「築年数」などに合わせて、設備管理や点検、清掃の頻度や内容などを見直すことが重要です。

弊社は独立系であるため、メーカーによるしがらみはなく、物件一つ一つに対して、本当に必要な内容に絞ったご提案をしております。

 

各種メンテナンス業務の法定点検について

マンションの点検には大きく分けて、管理員などが日常的に主に目視によっておこなう任意点検(日常点検)と、法律的に義務付けられた法定点検の2種類がります。

法定点検は内容が専門的なため管理組合やオーナーでも関心が薄い場合が多く、実際は管理会社に委託し、管理会社が専門業者に再委託していることが多くなっています。
そのため、法定点検を省略することができないことと、管理組合やオーナーが無関心であるという2点から、管理会社では点検費用を割高に設定している場合もあります。

法定点検の名称
(関係する法令)
対象となる建物・設備点検等の時期
特殊建築物等定期調査
(建築基準法 12条1項)
建築物の敷地、構造及び建築設備6か月~3年の間で特定行政庁が定める時期
建築設備定期検査
(建築基準法 12条2項)
換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、
給水設備、排水設備
6か月~1年の間で特定行政庁が定める時期
昇降機定期検査
(建築基準法 12条2項)
昇降機(エレベーター)6か月~1年の間で特定行政庁が定める時期
消防用設備等点検
(消防法17条3の3)
誘導灯、消防機関へ通報する火災報知設備、
消火器具、誘導標識、消防用水、
非常コンセント設備、無線通信補助設備
機器点検:6か月に1回
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、
泡消火設備、ハロゲン化物消火設備、
屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、
漏電 火災警報器、非常警報器具/設備、避難器具、
排煙設備、連結送水管、非常電源等
機器点検:6か月に1回
総合点検:1年に1回
配線総合点検:1年に1回
専用水道定期水質検査
(水道法3条6項、34条)
水槽の有効容量が100m³を超える施設
口径25mm以上の導管の全長が1,500m超
居住人口100人超 1日最大給水量が20m³超
水質検査:月1回
消毒の残留効果等に関する検査は1日1回
簡易専用水道管理状況検査
(水道法3条7項、34条2)
水槽の有効容量が10m³を超える施設

水質検査:1年以内ごとに1回
水槽の掃除:1年以内ごとに1回

※簡易専用水道より規模の小さい貯水槽の有効容量 10m3以下の小規模貯水槽について
都道府県、保健所を設置する市及び特別区の条例・要項等により衛生管理の指導等がある

自家用電気工作物定期点検
(電気事業法39条、42条)
高圧(600V超)で受電する設備月次点検:月1回
年次点検:1年に1回
浄化槽の保守点検、清掃、
定期検査
(浄化槽法8条~11条)
浄化槽保守点検:浄化槽の種類により1週~6か月ごとに1回以上
清掃:浄化槽の種類により6か月~1年ごとに1回以上
水質検査:1年に1回

 

日常清掃・定期清掃・特別洗浄作業(清掃管理)

カーペット洗浄ビル・マンションでの清掃作業は、清掃員が日常的に行う清掃から、専門の技術をもつスタッフが機械などを用いて定期的に行う清掃など多種多様です。

物件規模に対して過剰な内容であることも多く、必要な作業・頻度に絞ることでコスト削減が可能です。そのためには物件ごと、清掃箇所ごとに適した方法、使用洗剤等の選択が重要になります。

しかしながら、衛生管理は建物の耐久性や美観、入居者の満足度にも関係してきます。単純に清掃を省くのではなく、必要に応じた内容にすることが大切です。

自家用電気工作物(キュービクル)点検・電気設備管理

キュービクルマンションにおいて電気設備に関する法定点検があるとすれば「自家用電気工作物」(キュービクル)となります。

「自家用電気工作物」(キュービクル)は電気事業法の規定により、一定の技術基準に適合するように維持しなければなりません。

法定点検として「月一回の月次点検」と「年一回の年次点検」が必要になりますが、費用は依頼する業者によって異なるため、コスト削減できる可能性があります。点検内容は定められた書式に基づいて行うため、業者ごとで大きな変化があるわけではありません。点検費用が適正な価格となっているか、きちんと精査することが必要です。

また、高圧の電気料金は高額なため、電力自由化に伴う新電力への切り替えをすることによって、電気代を削減することが可能です。

エレベーターの保安点検

EV(エレベータ)機械室マンションのエレベーター設備は、建築基準法の規定により、年1回の法定点検が義務付けられています。

法定検査が行われた後は、「検査済証」と呼ばれるステッカーを「かご」(エレベータの中をかごと言います)の中の見やすい場所に掲示するルールになっています。これにより、きちんと法定点検が行われていることを、居住者をはじめとした誰もが目視で確認できます。

また、法定点検とは別にエレベーター保守会社が通常、1ヶ月に1回の点検を実施しています。

 

最近では、多くの保守管理会社が、遠隔監視システムを採用しており、技術員が実際に現地へ出向いて行う点検は2ヶ月~3ヶ月に1回程度が多くなってきました。

エレベーターの日常点検は設置当初からの点検方法をそのまま踏襲しているケースが多いですが、費用の節減を目的にこれを見直して、点検の頻度を毎月から隔月、3ヶ月に1回などというように減らしているケースもあります。

メーカー系と独立系

メーカー系保守会社とは、東芝、三菱、日立などのメーカー系列に属している保守会社であり、独立系保守会社はそういったエレベーターメーカーには属せずに、すべてのメーカーのメンテナンスをおこなっている会社です。

独立系保守会社に切り替える一番のメリットは、メンテナンス費用を大幅に削減できることです。

独立系保守会社はエレベーターのメンテナンスや保守点検を主業務にしていますので、メーカー系では必要な「開発」に掛かる人件費や「製造」等の費用が掛からない為、保守、メンテナンス専門で行っている独立系保守会社はコスト面では管理組合やオーナーにとってのメリットとなります。

消防設備点検・機器点検

避難器具消防用設備等を設置することを消防法で義務づけられている防火対象物の関係者は、消防法の規定により、その設置された消防用設備を定期的に点検を実施し、その結果を消防長または消防署に報告する義務があります。

消火器や火災報知器、スプリンクラー、誘導灯、避難設備等消防用設備など、指定されている設備は多数あります。上記、法定点検についての表をご覧ください。

これら消防用設備を備えている建物のオーナーは「消防用設備の点検を実施し、その結果を消防署へ報告しなければならない」というのが点検報告制度です。

 

毎年定期的にかかっている消防設備の点検コストにもムダがあるかもしれません。

また、逆に消防設備点検をおろそかにしていると消防署から指導されることがあります。依頼をしてはいるけど、業者が何をやっているのかまったくわからない、ということはないように注意しましょう。